お茶の歴史は、紀元前に中国に始まり、もともとは薬用として用いられ、後に嗜好品として広く飲用されるようになりました。
わが国における喫茶の風習は、中国より伝わり、もっとも古い記録では729年といわれていますが、茶の栽培が行われるようになったのは、鎌倉時代からで、宋で修業を終えた栄西禅師が、茶の種を持ち帰り、九州の背振山にまいたのが始まりとされています。
栄西は<喫茶養生記>を著し、茶の効用を広めましたが、その後、茶の湯の発達とともに、茶の栽培・製造は一層盛んとなりました。
しかし、江戸中期まではそれでもなお、茶は上流社会の飲料でしかなく、産地も宇治が中心であったということです。
静岡をはじめ、日本各地で盛んに茶の栽培が行われるようになったのは、横浜開港(1859年)によって茶が輸出されるようになってからのことです。
お 茶 全 般 |
不発酵茶 (緑茶) |
蒸し製 | 日本茶 (以下参照) |
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釜炒り製 | 釜炒り茶 (露地栽培) |
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半発酵茶 (中国茶) |
包種茶 | 香味は緑茶に近い。ふつう花の香りをつける。 | |
ウーロン茶 | 生葉を日光にあて多少しおらせて一部酸化させて釜炒りする。香味は紅茶と緑茶の中間。 | ||
発酵茶 (紅茶) |
生葉をしおらせ、蒸さずにもみ、発酵させて乾燥。 |
日 本 茶 |
番 茶 |
煎茶原料の生葉より硬化したものを使う。製法は煎茶と同じ。 | ほ う じ 茶 |
番茶や煎茶を茶色になるまでほうじたもの。 | 露 地 栽 培 |
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玄 米 茶 |
番茶や煎茶に炒った米をまぜたもの。 | ||||
玉 緑 茶 |
煎茶に比べて形が曲がって丸いもの。グリ茶ともいう。 | ||||
煎 茶 |
日本系の大部分を占める。(お茶の出来るまでを参照) | ||||
玉 露 |
高級茶で宇治、岡部、八女が主産地。 | ||||
か ぶ せ 茶 |
玉露と煎茶の中間の品質。 | 被 覆 栽 培 |
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碾 茶 (てんちゃ) |
玉露と同じ葉を蒸して揉まずに乾燥したもの。 | 抹 茶 (まっちゃ) |
碾茶(てんちゃ)を粉末にしたもの。 |
荒茶製造工程 | ||
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▼生葉---4.5kg | ||
蒸熱 (じょうねつ) |
約30秒 | 生葉に蒸気をあて、葉の中の酸化酵素の働きをとめ、緑色を保つ。蒸熱後、冷却して変色を防ぐ。 |
粗揉 (そじゅう) |
45分前後 | 熱風を送って、もみながら乾燥する。 |
揉捻 (じゅうねん) |
6~8分 | 粗揉でのもみ不足を補うため強くもむと同時に、茶葉の水分を均一にする。 |
中揉 (ちゅうじゅう) |
25分前後 | 熱風で乾燥しながら、整形しやすいようにする。 |
精揉 (せいじゅう) |
25分前後 | 加熱して、水分をとりながら茶葉の形や色沢を整える。 |
乾燥 (かんそう) |
約30分 | 精揉後の茶は水分が13%もあるので、貯蔵性を高めるため6%ぐらいまで乾かし、香味を引き立たせる。 |
仕上げ茶製造工程 | ||
▼荒茶(あらちゃ)---1kg | ||
ふるい分け | 平行ぶるいで太さをそろえて、回しぶるいで長さを揃える。 | |
切断 (せつだん) |
長形の茶葉を1~1.5cmの長さに切り、揃える。 | |
風選 (ふうせん) |
風力で茶葉を選別して重さを揃える。 | |
木茎分離 (もっけいぶんり) |
静電気や光線などで葉や茎を選別する。 | |
火入れ | 水分を3%ぐらいまで乾燥し、茶特有の香味を作り出す。 | |
合組み (ごうくみ) (ブレンド) |
製品の均一化と消費者嗜好にあわせた調整、配合をする。 | |
包装(800g) |